インドシナとスエズでの戦争に乗り遅れた「遅れてきた青年」のジャンマリ・ルペンにとって、念願の戦闘参加を果たしたアルジェリア戦争でフランスを敗北させたドゴールは、まさに憎むべき保守本流だった。1972年に国民戦線(FN、現国民連合=RN)を創設。不況と ...
中国共産党は、香港における「一国二制度」の約束を反故にして、雨傘運動(2014年)と民主化デモ(2019年-2020年)を徹底的に弾圧した。なぜわざわざ香港経済を委縮させ、台湾の平和統一の道を閉ざすような強硬策を取ったのか。
恒久的な平和の達成まで3段階で進むとされるガザの停戦交渉は、イスラエル国内の政局と密接に関わっている。総議席数120のイスラエル国会で、ネタニヤフ首相は連立を組む政党を入れ替えながら辛うじて過半数を維持してきた。このまま停戦が第2フェーズに移行した場合、戦闘継続を望む右派政党などの離脱で政権崩壊につながる可能性が高い。代わりに中道政党を引き込めれば政権も停戦も安定するが、それとは別に、ユダヤ教超正 ...
自国での産出とイスラエルやキプロスからパイプラインで運ばれる天然ガスを欧州に供給する「ハブ」の役割も期待されたエジプトのエネルギー収支は、2023年の半ばから急速に悪化した。背景には移民流入も含む人口増による国内需要の急増、政府が有望なガスプロジェク ...
今世紀の3つの戦争に失敗したアメリカが「世界の警察」の座をゆっくりと降りる傍らで、中東に政変の嵐が吹き荒れた。「アラブの春」は政権に対する民衆運動でありつつも、結果的には第三のアクターを巻き込む国際内戦にも発展した。リビア、イエメン、シリアの内戦構造 ...
欧州側の反応もまず「唖然」、そして怒りというものだったようです。少なくとも直視しておくべきは、「米国と共有するはずの最も基本的な価値観が後退している」というバンス氏の発言が、欧州と米国の間に民主主義の理解・定義をめぐって大きな食い違いが生まれつつある ...
ロシアと欧州の狭間に位置するベラルーシでは、アレクサンドル・ルカシェンコ氏が7選を決めた。30年を超える強権的長期政権はこれまでいかにして維持され、これからベラルーシをどこへ導くのか。ロシアおよびウクライナとの関係を軸に読み解く。
経団連副会長の定員は20人。2002年の日経連との合併後に2度の定款変更を経て倍増した結果、「正副会長会議の議論が密にならない」という声が上がるようになって久しいが、今年の副会長人事でもやはり何も変わらなかった。なぜか。
11月末から12月に不意に進んだ、シリア北西部・トルコとの国境地帯を地盤としていた「シャーム解放機構(HTS)」の急速な伸長とアレッポそして首都ダマスカス掌握によるシリア内戦のひとまずの終結と、その後のシリアを中心とした地域大国の動きに注視しているが ...
トルコでテロ組織に指定されている「クルド労働者党(PKK)」の元指導者として服役中のオジャラン氏について、与党連合の党首が仮釈放の可能性に言及し波紋を呼んでいる。エルドアン大統領が3選への道を開くため、議会で57議席を持つクルド系政党を取り込む狙いと ...
一時はロシアと距離を置く姿勢を鮮明にしたルカシェンコ氏だが、2020年大統領選後のデモに直面すると一転してロシアを頼った。その後、2022年からのロシア・ウクライナ戦争に再び救われる形で権力を安定させ、7選を果たす。プーチン政権もベラルーシ国民も、「 ...
「中東通信」の更新に大きく間が開く状況が続いている。最大の原因は、ROLES(創発戦略研究オープンラボ)を2020年に職場の研究室のプロジェクトとして発足させて以来、2023年の大幅拡大を経て、企画運営作業に忙殺されていることである。下記ウェブサイト ...